化学物質過敏症の人が使用できるトイレットペーパーは何?

トイレットペーパーの化学物質

化学物質過敏症の方は、普段の生活でも多くの注意を払っていることでしょう。その中でも、トイレットペーパーの選び方にも気を遣わなければなりません。通常のトイレットペーパーには、さまざまな化学物質が含まれており、これらが化学物質過敏症の症状を悪化させることがあります。そもそも使用できる・できない問題、経皮吸収が気になる方もいるでしょう。

そこで本記事では、トイレットペーパーに使用されている化学物質や、化学物質過敏症の人でも安心して使用できるトイレットペーパーについてご紹介します。

もくじ

トイレットペーパーの原材料・成分は何?

通常使用されるトイレットペーパーの主な成分は、パルプです。パルプは、紙製品の製造に使用される材料で、化学的な処理によって製造されます。木材や竹などの植物繊維から作られているため、天然の繊維素やリグニンといった成分が含まれています。

その他の成分は下記の通りです。

  • 再生紙:古紙を再生して「再生パルプ」を作る方法もあります。再生パルプは、水の中で古紙をくだき、古紙に含まれる異物やインキなどを取り除き製品にしますが、この時に使われるのが脱墨剤などの化学物質です。脱墨剤をはじめとする古紙処理薬品の多くは、界面活性剤を使用しています。その他製造プロセスにおいて、離解促進剤、消泡剤、ピッチコントロール剤などが使用されることがあります。
  • 香料:芳香剤の効果を与えるために使用されます。
  • 漂白剤:トイレットペーパーは、漂白剤を使用して白く仕上げられることがあります。
  • 紙質改良剤:トイレットペーパーの柔らかさや吸水性を改善するために使用されます。
  • 染料:色素を使用して色をつけることがあります。
  • 保存料:トイレットペーパーに含まれる水分が原因で生じる細菌の繁殖を防ぐために使用されます。代表的なものに、メチルイソチアゾリノンやメチルクロロイソチアゾリノンなどがあります。
  • 抗菌剤:トイレットペーパーに含まれる細菌やカビの繁殖を抑えるために使用されます。代表的なものに、トリクロサンやトリクロカルバンなどがあります。
  • 紙の硬化剤:紙の硬化剤は、トイレットペーパーの強度や耐久性を高めるために使用されます。代表的なものに、ポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロースなどがあります。
  • 滑り止め剤:滑り止め剤は、トイレットペーパーが手に滑りやすくなるように使用されます。代表的なものに、ポリアクリルアミドやポリエチレングリコールなどがあります。
  • 防腐剤:細菌やカビの繁殖を抑えるために使用されています。代表的なものに、パラベンやイソチアゾリンなどがあります。
  • 増粘剤:強度を高めるために使用されます。

メーカーや製品により内容は異なりますので、成分表示を確認しましょう。

ヤマダ

陰部は皮膚が薄いため経皮吸収率が高く、注意が必要です。

トイレットペーパーの柔らかさの秘密

トイレットペーパーの柔らかさは、紙の厚みや柔らかさに影響する材料や製造工程などによって変わります。

  1. パルプ:トイレットペーパーの主原料であり、木材や竹などの植物から作られます。パルプの品質や種類によって、トイレットペーパーの柔らかさや強度が異なります。
  2. 活性炭:一部のトイレットペーパーには、活性炭が添加されています。活性炭は、臭いや色素を吸着するために使用され、トイレットペーパーをより柔らかく、滑らかにすることができます。
  3. キメラグルカン:菌類から抽出される多糖類です。この成分は、トイレットペーパーの柔らかさを増すために使用され、また、肌に保湿効果を与えることができます。
  4. グリセリン:保湿効果がある成分であり、一部のトイレットペーパーに添加されます。グリセリンは、トイレットペーパーをより柔らかく、肌に優しいものにします。
  5. 柔軟剤:柔軟剤は衣類の柔軟性や静電気の発生を抑えるために使用されますが、トイレットペーパーにも同じように使用されることがあります。柔軟剤を使用することで、トイレットペーパーがより柔らかく、滑らかになります。しかし、柔軟剤には、柔軟性を高めるために使用される化学物質、例えばフタル酸エステル。この物質は内分泌撹乱物質として知られており、健康に悪影響を与える可能性があり、肌の刺激やアレルギー反応を引き起こすことがあります。そして、トイレットペーパーの柔軟剤としても知られる化合物として、ジアセチルジベンゾイル(DADB)が使用されることがあります。DADBは、柔軟剤として使用されると、トイレットペーパーが柔らかくなり、より滑らかな感触が得られますが、使用することで環境汚染物質を生成することがあります。
  6. エンボス加工:トイレットペーパーの製造工程で、エンボス加工が施され、凹凸の模様が作られます。これによって紙の柔軟性が向上し、触感が柔らかくなる効果があります。

トイレットペーパーの白さの秘密

トイレットペーパーは一般的に白色であることが多く、その理由は見た目の美しさや清潔感、さらには消費者の期待によるものがあるでしょう。

トイレットペーパーを白くするために使用される最も一般的な方法は、漂白です。塩素系漂白剤、酸素系漂白剤などが使用され、紙の原料であるパルプの色や不純物が除去されることで、紙が白く見えるようになります。漂白剤以外にも化学薬品が使われているケースもあります。

また、漂白工程にて漂白剤を使用しないECFという手法を使って白さを保っているものも存在します。ECFは「元素塩素フリー(Elemental Chlorine Free)」の略語で、パルプの製造において、塩素ガスを使用せずに漂白する技術を指します。この技術により、塩素ガスによる環境汚染や健康被害を軽減することができます。

白いトイレットペーパーだからと言って、必ずしも漂白しているとは限らないのです。

ヤマダ

蛍光増白剤(白いのものをより白く見せるための染料)は入ってる?と聞かれますが、食品衛生法、薬機法、薬局方、JIS規格などの法律上、肌や口に触れる商品の一部に使用が禁止されており、トイレットペーパーには使うことはできませんので、ご安心くださいね!

イラストが書かれていたり、色付きのトイレットペーパーに使われる添加物は?

絵が描かれていたり、ピンク色やグリーンのトイレットペーパーも存在しますよね。これは通常の白いトイレットペーパーに染料が添加されているからです。色素は、鉱物、植物、動物由来の天然色素や、合成された人工色素が使用されます。

化学物質過敏症の人が安心して使用できるトイレットペーパーは?

化学物質過敏症の方におすすめのトイレットペーパーは、

1、移香のない無香料製品(ネットショップ購入が◎)
2、ピュアパルプ100%(再生紙は不可)
3、無漂白製品

などです。

ヤマダ

ネットショップと記載したのは、ドラッグストアなどにおいてある製品のほとんどがにおい移りのある可能性が高いためです。

ですが、こんなに素晴らしい製品は数少なく、あってもお高い…

CSにおすすめトイレットペーパー
CSにおすすめトイレットペーパー

妥協も必要だと思いますので、以下に化学物質過敏症の方が実際に使用しているトイレットペーパーの情報を掲載します。

  • 使用可否に個人差はありますし、製品の保管場所・状況によっても状態が異なることがあります。

さいごに

トイレットペーパーは柔らかさや白さなどの見た目や触感の特徴だけでなく、化学物質過敏症の症状を悪化させないためにも、原材料や成分、購入場所など選び方には注意が必要です。

製品情報をよく確認し、感受性や症状に合わせたトイレットペーパーを選び、安心して使用できる環境を整えましょう。

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